元公務員へのインタビュー、3人目は、澤村一誠さんです。
澤村さんとは、澤村さんのHPを見つけて、僕から連絡をとったことがきっかけで知り合いました。
八尾市役所退職後、株式会社MIRAIO TERRACEを立ち上げ、さらに、銀座コーチングスクールの奈良校代表兼コーチとして多忙な日々を過ごされています。
詳しくは、それぞれ下記のホームページをご覧ください。
株式会社MIRAIO TERRACEのホームページです。
地方公務員や地方公務員をめざす方、地方議会議員の悩み解決・目標達成の支援、奈良でNo1のコーチングファームです。|株式会社MIRAIO TERRACE (miraioterrace.com)
銀座コーチングスクール奈良校のホームページです。
銀座コーチングスクールー奈良校 – 銀座コーチングスクール (ginza-coach.com)
澤村さんの奈良校インタビュー動画です。
GCS奈良校インタビュー – YouTube
また、インタビューの中でも、どんな思いを持ってどんな仕事をされているかについて詳しく伺っているので、公務員から起業や転職したい方は参考にされてくださいね。
それでは、インタビューの内容について一問一答形式でシェアします。
2022年11月29日 澤村一誠さんへのインタビュー
- 家族構成、年齢、大まかな経歴
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家族構成:妻(53)、長女(29)、長男(27)、次女(25)
年齢:56歳(インタビュー時点)
大まかな経歴:警察官として奈良県奈良警察署勤務→八尾市勤務→2021年4月に起業
- 公務員時代の仕事
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警察官として2年8か月派出所などに勤務、市役所に28年勤務。
市役所で最初に配属されたのは財政課。
翌年度の予算編成、前年度の決算分析、交付税算定、地方債の借入れなどを行っていた。次に、配属されたのは企画部門。市全体の事業計画や市政運営方針などの策定に携わった。
この2つは市役所でも有数のハードな職場だった。
その後、民間の保育園の運営に関わる仕事、そして中小企業を支援・振興する仕事に携わった。
役所人生で最も長く関わったのがこの産業部門。
ここでの経験が地域での中小企業の経営者の方をサポートしたいという思いにつながっている。
また、この職場で管理職に昇格し市議会に出席するという経験も得た。
そして平成22年4月に人事課に異動。
職員採用試験の面接、昇任昇格、懲戒処分などの仕事に従事した。
経済環境部次長兼環境保全課長として、温暖化対策、SDGsなどの課題に取り組み、中核市移行担当次長、経済環境部次長兼初代産業廃棄物指導課長を務め、54歳で退職。
- 公務員時代の人間関係
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いい人、事務処理能力が高い人が多いという印象。
特に信頼していた2人の上司は、気を遣わなくていい人柄で、逃げない強さを兼ね備えているのが共通していた。
また一方で、パワハラと気づかずにやってしまう上司はよくいた。
- なぜ辞めたのか
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1.全国の自治体職員にコーチングすることでお互いをリスペクトする組織にしていきたいという思いを持つようになったから。
その考えに至ったのは次の理由から。
- 人事課長のときにパワハラを目にした
- 勤務時間が長い
- 雰囲気が殺伐としていてメンタル不調が発生している
全国の自治体職員に「上司は部下を守って責任をとる」、「部下は上司を支える」ことを伝えてお互いリスペクトし合う組織にしていきたい。
2.身近な政治を変えたいから
議員が変わればまちも変わるという思いから、地方議会議員にコーチングしたいと考えている。
3.地方公務員になりたい人からセカンドキャリアまでをサポートしたいから
地方公務員を応援したいと思っているので、なりたい人から退職後のセカンドキャリアまでサポートしていく。「ゆりかごから墓場まで」というイメージ。
4.75歳まで働きたいから
新しいことを定年後の65歳以降に始めるよりも、早期退職を選んだ。
また、自分が長く現役で働けば、年金の負担が抑えられて若い人のためにもなるという考えもある。
- 辞める前に準備したこと
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- コーチング資格の取得
- コーチングスキルの向上
- 貯金(収入が無くても2、3年は生きていけるように)
- メルマガの配信、周囲に宣伝
- ブログの執筆(日々の記録)
- 法人設立の準備(株式会社、屋号、ロゴマーク)
- 退職金はどれぐらいもらえたのか(答えられる範囲で)
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約2千万円
- 辞めた後の生活、仕事
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現在は、パーソナルコーチ、銀座コーチングスクールの奈良校代表兼コーチ、地方自治体・民間向け研修コーチとして忙しい日々。人材派遣会社で一時期働いたことも。
仕事はクライアントの都合に合わせるので、土日関係なく夜遅くまで働くこともあり不規則。
収入面が不安定なので不安になることもある。
ただ、スケジュールについては、少しずつコントロールできるようになってきている。
しんどいが全部自分で決められて責任を負うのでシンプルで良い。やりがいがある。
コピー紙、インクの補充、執務室の清掃など、当時当たり前にあったものが、誰かがやってくれていたことだったと実感した。
また、電車に乗るとき使えた定期が使えなくなったことで退職したことを改めて痛感した。
- 辞めた後の収入
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現在、法人を立ち上げて2年目。
1年目 220万
2年目 300万をすでに超えている(11月末時点)
仕事も徐々にもらえるようになってきていて、今後の展望は明るい(目標は2000万、レクサスに乗りたい!)
- 辞めて良かったこと
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自分で決められて、人に気を遣うことはない。
ただ、個人でやっている以上、お金を出す人(お客様)が強いので無理はしてしまう。
- 辞めて後悔したこと
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お金の問題。月に1回給料があることのありがたさを感じる。
生活が不規則になるため、よりストイックに自分を律しないといけない
病気になったときの不安もある。健康管理が大事だと感じる。
家で仕事をしているから生活に変化がなく、社会からの置いてけぼり感がある。
- これから辞める人へのアドバイス
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家族など周囲の人によく相談すること。
特に起業する場合は、子供が手を離れてからが良い。
ただし、体を壊すような働き方をしている場合は例外。
- その他伝えたいこと
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退職を奨励するわけではない。
一番伝えたいのは困らないように牙を研いでおくこと。
なんらかのスキルを身につけること。
セカンドキャリアに向けてぜひブラッシュアップを!
最後に好きな言葉を贈ります。
「夢を見なければ始まらない 挑戦しなければ変わらない 努力しなければ叶わない」
もし悩んでいる方は気軽にHPからお問い合わせください。
地方公務員や地方公務員をめざす方、地方議会議員の悩み解決・目標達成の支援、奈良でNo1のコーチングファームです。|株式会社MIRAIO TERRACE (miraioterrace.com)
澤村さんへのインタビュー感想
澤村さんは、前職の警察官時代と市役所で30年以上、公務員として働かれていました。
澤村さんの市役所での経歴を伺うと、財政、人事を経験され、次長まで昇進して退職されています。
地方自治体以外で働いている方には、それがどれぐらいの経歴なのかピンとこないかもしれませんが、財政、人事はどこの自治体でも激務で知られ、エース級の職員しかいかない部署です。
それを2か所とも経験され、次長まで昇進されているので、退職されたときの周囲の衝撃は大きかったのではないかと思います。
年齢的にも市役所の幹部である部長以上のポジションに就いて、退職後も好待遇で仕事を続けることもできたはずです。
そういう世間的には居心地の良い場所から、自分の気持ちに従い志を持って起業された先輩の存在は、公務員を辞めて転職、起業したい者にとっては勇気がもらえます。
インタビューをしながら特に印象に残ったお話を2つ挙げたいと思います。
準備は周到に、でも勇気をもって
今回、お話を伺って印象的だったのは、澤村さんがかなり時間をかけて起業までの準備を行っていたことです。
- コーチング資格の取得、スキルの研鑽
- 貯金
- 法人設立の準備
- ブログ、メルマガ執筆
こういった準備を進めながら、お子さんが自立したり環境が整うのも待って、満を持して起業されています。
公務員の仕事が辛い方は、すぐにでも新しい道へ進みたい気持ちになると思いますが、自分の置かれた状況を冷静に見るのも大事だと思いました。
一方で、最高のタイミングがいつなのか、それを判断するのは自分なので、勇気をもって飛び込むことも最後は必要ですね。
起業するなら志は高く
澤村さんは、仕事が嫌になって辞めたのではなく、地方公務員や地方議会議員をサポートして全国の市町村を良くしていきたいという志を持って起業されています。
僕は、公務員が視野を広げて選択肢を持つことのお手伝いをしたいと思っています。
そして、その後のキャリア(公務員を続ける、転職、起業する)について一緒に伴走していくようなことができればと考えています。
僕の目的は、目の前の苦しんでいる人をまずは楽にすること、そして、幸せな人生を送るために必要なことを一緒に考えていくことです。
一方、澤村さんは、もっと前向きな志、広い視野を持たれていると感じました。
前提として、澤村さんは地方公務員が好きでもっと良くなってほしいというところからスタートされています。
さらに、地方公務員や地方議会議員を応援することで、その先にいる地域住民の幸福につながっていくところまで視野に入っていて、すばらしいなと思いました。
僕もこれからコーチングを学び、誰かの応援をするときには、その後ろにいるご家族など、その方の背景や自分の関わり方により、広がっていく影響の先まで想像できるようになりたいと思いました。
このブログでは、公務員を早期退職した方へインタビューを行い、記事にしています。
他の方の経験談を読みたい方は以下のリンクからどうぞ。
【早期退職者インタビュー】後悔は?辞めて良かった?|公務員からの転職・起業体験談
現状を変えたいならまずは自己分析から
もし、今の仕事に不満があり将来に不安があるなら、自己分析から始めてみませんか?
自分の強みや弱点を把握しておくことで、転職を目指すにしても、現職を続けていくにしても方向性が明確になります。
別記事で無料でできる自己分析ツールを3つ紹介しているのでぜひ参考にされてください。
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